*

高齢者の腰痛では早期にレントゲンやCT、MRIなどの画像検査を行っても役に立たない?

公開日: : 美容、健康、その他

前回、日本と米国の医療費の違いから、医療の在り方や捉え方などについて少し書きました。


一般に、米国の医療費は高額で、過剰な医療は社会的に批判されるため、
医療者側には医療の質の向上と医療費の抑制が求められるという現状があります。

このことについては、日本でも人気の海外ドラマ、『ER』などでも頻繁にそのような場面が見受けられました。


一方、日本では、医療費の個人負担が少ないため、自分が受ける医療に疑問を持たず、
医療者側にいわれるがままに過剰な医療を受けている人がかなり多いのが現状です。

わが国においては、医療の高度化や高齢者の増加で医療費が年々増大する中、
過剰な検査や治療、薬の必要性について真剣に取り組むべき問題です。


1つ例を挙げてみると、最近、
「神経障害のない高齢腰痛患者に対する早期の画像検査に有益性は認められない」
といわれています。

これは、65歳以上の神経障害(しびれや運動麻痺など)のない腰痛患者5239例を対象に、
高齢腰痛患者に対してレントゲンやCT、MRIなどの早期画像検査を行った場合、
転帰(病気やケガの治療の経過や見通し)の改善に有効かどうかを解析した研究で明らかになりました。


解析の結果、
早期画像検査を行っても、1年後の腰痛または脚の痛みなどの良好な転帰とは関係していなかったことがわかりました。


よくある別の例を挙げます。

・高齢者が転倒して脇腹を打撲しました。

・その後、息をするだけでも脇腹が痛かったので病院でレントゲンを撮ると、肋骨を骨折していました。

・病院からは骨折部位を固定するための「バストバンド」と、痛み止めの薬、湿布薬をもらい、また1週間後に来院するようにいわれました。

・1週間後に来院すると、またレントゲンを撮り、結果を見ながら「治るまでにはもう少しかかるね」と医師にいわれ、また1週間後に来院するようにいわれました。

・1週間後に来院すると、前回と同じようにレントゲンを撮り、医師から結果を告げられるだけで特に治療はなく、同じようにまた1週間後に・・・・・


これは明らかにおかしい!

はっきりいって「骨折は日にちが薬」というところがあって、
肋骨骨折の場合、高齢者でも3週間~1か月で骨はつながります。

ですから、毎週毎週レントゲンを撮る必要はないのです。

レントゲンはあくまで検査ですから、骨折による痛みの治療には全くなりません。


このような医療費の無駄遣いは日本では横行していますが、
医療者側だけでなく、自分の受ける医療に疑問や関心を持たない患者側にも問題があります。

患者側ももっと賢くなる必要があります。

そして、疑問に感じることやわからないことは、勇気をもってしっかりと医療者側に質問しましょう。

医療者側にはそれに誠実に答える義務があるのですから。


医療の見直しキャンペーン『Choosing Wisely(賢い選択)』についてはコチラ↓↓↓
http://challenge-tt.xsrv.jp/928.html

スポンサーリンク

関連記事

シワ取りやワキガ、脳卒中の後遺症にも行われるボツリヌス菌治療の最新治療法は?心房細動に効果!

みなさんは 『ボツリヌス菌』 というものをご存知ですか? 「地球最強の毒素」を産生

記事を読む

no image

食事、運動、休養、睡眠など規則正しい生活が脳機能をよい状態にする!

少し前から、「残業代ゼロ法案」というものを耳にしますが、簡単にいうと、労働者に対する報酬を、働いた時

記事を読む

大ピンチ?!介護保険制度の行き詰まり?国民は負担増大に耐えられるか?優遇政策で財政難を解消できるか?

日本で2000年に介護保険制度がスタートし、将来の恒久的な制度を目指して これまで試行錯誤を繰

記事を読む

アイスバケツチャレンジの結果は?寄付金額は?良い影響はあったのか?新薬の開発は?何より大事なALSの早期発見のポイントは?

2014年の7月末からスタートした 『アイス・バケツ・チャレンジ(IBC)』 を憶えていますか?

記事を読む

1日1個のアボカドで悪玉コレステロールを減らし動脈硬化や心筋梗塞を予防

最近、『アボカド』が注目されていますね。 日本人は、サラダやサンドイッチ、ハンバーガー、巻寿司

記事を読む

超ヘルシーなイスラム・中東の伝統料理フムス

2020年の東京オリンピック・パラリンピックを見据え、 イスラムの戒律で認められたものであることを

記事を読む

糖尿病は認知症と関連あり!記憶を司る海馬への影響は?最近注目の筋膜リリースは糖尿病にも効果がある?

現代社会において、『糖尿病』と『認知症』という疾患名 を耳にする機会は大変多くなっています。

記事を読む

no image

世界中の生物の絶滅危惧種がわかるレッドリスト

近年、日本を含め、世界各国で大規模な自然災害が頻発するようになっています。 これは、私たち人間

記事を読む

無動力の歩行支援機『アクシブ』!ロボットスーツと比べて実用性あり?その価格は?

噂の『アクシブ』を体験してきました! アクシブとは、 名古屋工業大学の佐野明人教授と今仙技術

記事を読む

COPD(慢性閉塞性肺疾患)は世界的死因の第3位!発症リスクを3分の1低下させる健康的な食事とは?豊富に摂取したい6成分は?

『COPD』という略語をご存じでしょうか? COPDは、『慢性閉塞性肺疾患』という肺気腫や慢性

記事を読む

スポンサーリンク

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

スポンサーリンク

心が温まる映画はコレ!『観客賞』総ナメで一見の価値大!

『しあわせの絵の具』 監督 アシュリング・ウォ

2020東京オリンピック目前!オリンピックの奇跡&感動エピソード

2020東京オリンピックを来年に控え、マラソンの開催地問題で別の盛り

2018バレーボール世界選手権は男女とも「予想通りの結果」?全日本男子の監督は早々に更迭!次期監督候補はアノ人か?

2018バレーボール世界選手権は、 「予想通りの結果」となりまし

中高年の男性は要注意!『LOH症候群』とは?その対策は・・・?

加齢による多様な身体の変化やストレスにより、 男性にも『更年期障

日本相撲協会は時代遅れの産物!大切な国技を守るため協会幹部全員を総入れ替えしよう!

このところ、立て続けに不祥事や問題を引き起こしている『日本相撲協会』。

→もっと見る

PAGE TOP ↑